Falcon 9 ブースター B1067、最多となる37回目の飛行に成功
2026年8月25日の Starlink 10-49 ミッションで、Falcon 9 の1段目ブースター B1067 が37回目の飛行を行い、ブースター再使用の最多記録を更新しました。
公開日 更新
SPACE DECODE 編集部What happened
何が起きたか
2026年8月25日、Falcon 9 の1段目ブースター B1067 が37回目の飛行を行い、ブースター再使用の最多記録を更新しました。ブースターは飛行後、再びドローンシップに着陸しました。
When / Where
いつ・どこで
2026年8月25日 9時33分(UTC)、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の SLC-40 から打ち上げられました。
Key facts
確認できている事実
- ミッションは Starlink 10-49 で、Starlink 衛星29基を搭載していました(Spaceflight Now)。
- B1067 は37回目の飛行で、ドローンシップ「A Shortfall of Gravitas」に着陸しました(Spaceflight Now)。
- この着陸は、Falcon ブースターとして通算654回目の着陸と報じられています(Spaceflight Now)。
- B1067 は2021年6月に運用を開始したブースターです(Spaceflight Now)。
Why it matters
なぜ重要か
同じ1段目を繰り返し飛ばせる回数が伸び続けていることは、打ち上げ1回あたりのコストをさらに下げ、Starlink などの高頻度な打ち上げを支えていると考えられます(編集部の見方)。
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要点はここまでです。ここからは、仕組みや経緯、今後の見通しを掘り下げます。
01B1067 がたどってきた37回
SpaceX によると、B1067 はこれまでに ISS への補給ミッション CRS-22 と CRS-25、有人ミッション Crew-3 と Crew-4、各国の通信衛星、欧州の測位衛星 Galileo などを打ち上げてきました。今回を含めると、37回のうち26回が自社の Starlink 衛星の打ち上げです。
Spaceflight Now によると、B1067 は2021年6月に運用を始め、2026年2月21日に当時の最多となる33回目の飛行を行いました。そこから約6か月で4回飛んだ計算になります。NASA の有人飛行から商業衛星、自社衛星まで、同じ1段目がさまざまな用途に使われてきた点が特徴です。
02「37回」という数字の読み方
比較の目安として、NASA によるとスペースシャトルのオービター「ディスカバリー」は1984年から2011年までに39回飛行しました。ただし、シャトルは乗員を乗せる機体そのものの再使用で、Falcon 9 の1段目とは役割も構造も異なるため、回数を単純に比べることはできません(編集部の見方)。
Spaceflight Now によると、SpaceX は1段目を1機あたり最大40回まで使えるよう認証を進めています。UPI は、30回以上飛んだブースターが9機あると報じています。B1067 の記録は突出した1機の話ではなく、再使用が機体群全体に広がっていることを示す数字といえます(編集部の見方)。
今回の着陸は Falcon ブースターとして通算654回目、ドローンシップ「A Shortfall of Gravitas」としては165回目と Spaceflight Now は伝えています。UPI によると、この打ち上げは2026年に入って100回目の Falcon 9 の打ち上げでした。
031段目はどうやって戻ってくるのか
Falcon 9 の1段目は、2段目を切り離したあとに向きを変え、エンジンを再び点火して減速しながら垂直に着陸します。着陸先は、発射場近くの陸上の着陸場か、海上に待機する無人の着陸船(ドローンシップ)です。今回は打ち上げ約8分半後に、大西洋上のドローンシップに降りました(Spaceflight Now)。
Starlink の打ち上げは、SpaceX 自身が顧客であるため、飛行回数の多いブースターを投入してもリスクを自社で引き受けられます。B1067 の飛行の大半が Starlink であることは、自社ミッションを再使用の限界を探る場として使っていることの表れと考えられます(編集部の見方)。
04フロリダの Starlink は Starship へ
UPI によると、SpaceX の打ち上げ担当副社長キコ・ドンチェフ氏は、今後フロリダ発の Starlink は Starship で打ち上げると述べました。Spaceflight Now も、今回がしばらくの間ケープカナベラルからの最後の Starlink 打ち上げになる可能性を伝えています。カリフォルニア州ヴァンデンバーグからの打ち上げは続く見込みです(UPI)。
40回の認証がいつ完了するのか、B1067 が次にいつ、どのミッションで飛ぶのかは、9月30日時点で公式には示されていません。フロリダで Starlink を運ぶ役割が Starship に移れば、Falcon 9 のブースターが使われる場面や飛行ペースも変わる可能性があります(編集部の見方)。
Context
背景
Falcon 9 の1段目は2015年12月に初めて着陸し、2017年3月に初めて再飛行しました。再使用の仕組みは Museum の「Falcon」ホール、ブースター着陸の累計は Database の指標で確認できます。
Sources / 出典
- 01Falcon 9(SpaceX 公式ページ)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 参照 2026.09.30
- 02Starlink 10-49 Mission(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2026.08.25 · 参照 2026.09.30
- 03Space Shuttle Discovery Returns Home After Final Mission(外部サイト)
NASA · 宇宙機関 · 一次情報 · 2011.03.09 · 参照 2026.09.30
- 04SpaceX launches Starlink mission on a Falcon booster's record-breaking 37th flight(外部サイト)
Spaceflight Now · 報道 · 一次情報 · 2026.08.24 · 参照 2026.09.30
- 05SpaceX's most-flown Falcon booster launches on record 33rd flight(外部サイト)
Spaceflight Now · 報道 · 2026.02.21 · 参照 2026.09.30
- 06SpaceX sets a rocket-reuse record with Falcon 9 launch(外部サイト)
UPI · 報道 · 2026.08.25 · 参照 2026.09.30