14回の飛行試験でたどる Starship の進化
最初の飛行から軌道到達まで。Starship の14回の統合飛行試験を、公式の飛行記録にもとづいて整理し、何が変わり、何がまだ分からないのかを読み解きます。
公開日
SPACE DECODE 編集部Executive summary
Starship は2023年4月の飛行1から2026年9月の飛行14まで、14回の統合飛行試験を重ねて初めて軌道に到達しました。
公式の飛行記録を並べると、段分離、ブースターの帰還と捕獲、宇宙船の再突入、ペイロードの放出と、課題を一つずつ積み上げてきた流れが見えます。一方で、宇宙船の捕獲と再使用は、まだ実証されていません。
What changed
何が変わったか
2026年9月28日の飛行14で、Starship は初めて軌道に到達し、Starlink V3 衛星26基を投入しました。これまでの13回はすべて弾道飛行で、実際のペイロードを軌道へ運んだのは今回が初めてです。
Evidence
根拠
- 飛行1(2023年4月):複数のエンジンが停止し、段分離に至らず終了(SpaceX)。
- 飛行2(2023年11月):初めてホットステージングで段分離に成功し、宇宙船が宇宙空間に到達(SpaceX)。
- 飛行5(2024年10月):発射塔のアームで初めてブースターを捕獲(SpaceX)。
- 飛行9(2025年5月):初めてブースターを再使用(SpaceX)。
- 飛行10(2025年8月):主要な目標をすべて達成し、初めてペイロード(模擬衛星8基)を放出(SpaceX)。
- 飛行12(2026年5月):第3世代(V3)の機体と Raptor 3 が初飛行(SpaceX)。
- 飛行14(2026年9月):初の軌道飛行、V3 衛星26基を投入、初の軌道離脱噴射(SpaceX)。
Interpretation
解釈(編集部の見解)
ここからは編集部の見方です。Starship の開発は、失敗を含む飛行試験を短い間隔で重ね、得られたデータで次の機体を改良するやり方で進んできました。14回のうち、SpaceX が主要な目標をすべて達成したとする飛行は後半に集中しています。
V3 への移行直後の飛行12・13ではブースターの着水に課題が残りましたが、飛行14では宇宙船側でエンジンの一部停止があっても軌道投入を完了しています。冗長性を持たせた設計が実際に機能した例といえます。
Unknowns
まだ分からないこと
- 宇宙船の捕獲と再使用は、まだ実証されていません。
- 次の飛行(飛行15)の日程は、9月30日時点で公式には発表されていません。
- 機体を整備して再び飛ばすまでの期間(ターンアラウンド)は、公開情報からは判断できません。
What to watch
今後の注目点
- 飛行15の日程と目標
- 宇宙船の捕獲・再使用に向けた試験
- Starship による Starlink V3 衛星の打ち上げ頻度
- NASA アルテミス計画の有人月着陸機に関する進捗
Sources / 出典
- 01Starship Flight Test(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2023.04.20 · 参照 2026.09.30
- 02Starship Flight 2(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2023.11.18 · 参照 2026.09.30
- 03Starship Flight 5(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2024.10.13 · 参照 2026.09.30
- 04Starship Flight 9(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2025.05.27 · 参照 2026.09.30
- 05Starship Flight 10(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2025.08.26 · 参照 2026.09.30
- 06Starship Flight 12(SpaceX)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2026.05.22 · 参照 2026.09.30
- 07Starship Flight 14(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 2026.09.28 · 参照 2026.09.30
- 08Introducing Starship V3(SpaceX Updates)(外部サイト)
SpaceX · 公式 · 一次情報 · 参照 2026.09.30