Hall 04 · Starlink
Direct to Cell
Direct to Cellスマホと衛星の直接通信
Direct to Cell(現在の名称は Starlink Mobile)は、衛星を「宇宙の携帯基地局」として働かせ、専用アンテナを持たない普通のスマートフォンと衛星を直接つなぐサービスです。
専用アンテナなしで、LTE 対応のスマートフォンと衛星を直接つなぐサービスです。現在の名称は Starlink Mobile で、日本でも携帯電話事業者との提携で提供されています。
公開日
How it works
仕組み
通常、スマートフォンは地上の携帯基地局と電波をやりとりしています。Starlink Mobile では、この基地局の役割を衛星が担います。衛星には携帯電話の電波を扱うフェーズドアレイアンテナが載っていて、空が見える場所であれば、既存の LTE 対応スマートフォンがそのまま衛星につながります。
衛星が受け取ったデータは、衛星間レーザー通信などを経由して地上のネットワークへ運ばれます。Starlink によると、携帯電話事業者から見ると、国際ローミングの提携先ネットワークと同じような形で自社の通信網に組み込めるよう設計されています。日本の KDDI や NTTドコモは、対象機種であれば申し込み不要で使えると案内しています。
このサービスは Starlink が単独で消費者に売るものではなく、各国の携帯電話事業者との提携が前提です。米国では T-Mobile が「T-Satellite」として2025年7月に正式に提供を始めました。2026年9月時点で Starlink 公式サイトには、日本の KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクを含む20以上の事業者が提携先として掲載されています。
使える機能は段階的に広がってきました。当初はメッセージの送受信が中心でしたが、その後、対応アプリでのデータ通信に広がっています。Starlink の公式サイトでは2026年9月時点で、データ通信は40以上のアプリで、音声通話はアプリ経由で利用でき、端末標準の通話機能への対応は今後の予定とされています。
Starlink は、この用途の衛星を約650機配備していると説明しています。日本の au Starlink Direct の開始時には、これらの衛星が高度約 340 km を回っていると報じられました(ケータイ Watch)。地上の携帯基地局より遠く、スマートフォン側のアンテナも小さいため、現時点では通信容量が限られ、使えるアプリや機能が絞られています。
Why it matters
なぜ重要か
山間部や海上など、携帯電話の電波が届かない場所でも、手持ちのスマートフォンで連絡が取れるようになります。T-Mobile は、米国内で地上の基地局が届かない約50万平方マイルの地域を補えるとしており、災害時の緊急連絡や緊急警報の受信にも使われています。Starlink によると、緊急警報の配信は米国・カナダ・日本で利用できます。
日本では、KDDI が2025年4月に「au Starlink Direct」を開始し、ソフトバンクが2026年4月10日、NTTドコモが同年4月27日にそれぞれ同様のサービスを始めたと報じられています(ITmedia Mobile)。KDDI は2026年3月に米国での海外ローミング接続も始めており、国境を越えて使える仕組みも整いつつあります。
次の段階として、Starlink は第2世代の「Starlink Mobile V2」衛星で、第1世代の約20倍のスループットを実現し、将来的には5Gの通信を提供するとしています。KDDI は2026年9月、この V2 の契約を締結し、2027年中のサービス開始を目指すと発表しました。
Compared
他との違い
従来の衛星電話は、一般に衛星通信専用の端末と契約を用意する必要がありました。Starlink Mobile は、普段使っているスマートフォンと携帯電話事業者の契約のまま使えることが大きな違いです。家庭向けの Starlink が専用アンテナで高速通信を提供するのに対し、こちらは速度よりも「どこでもつながること」を重視したサービスといえます。
周波数と規制の面でも違いがあります。米国の FCC(連邦通信委員会)は2024年11月、SpaceX に対し、T-Mobile から借りた携帯電話用の周波数帯(PCS G ブロック)を使って衛星から直接サービスを提供することを、地上の通信を優先する「二次的な利用」として認可しました。地上の携帯網への干渉を防ぐための電波の漏れ(帯域外発射)の上限を緩める SpaceX の要望については、判断が先送りされました。
2026年5月には、FCC が EchoStar から SpaceX への約 65 MHz 幅の周波数(AWS-4、H ブロックなど)の譲渡を承認し、Starlink が次世代のスマートフォン直接通信に専用の周波数を使える道が開かれました。編集部の見方では、衛星の性能と同じくらい、どの周波数をどの条件で使えるかが、このサービスの今後を左右すると考えられます。
FAQ
よくある質問
特別なスマートフォンが必要ですか?
専用の衛星電話は不要で、既存の LTE 対応スマートフォンで使えるとされています。ただし、実際に利用できる機種は携帯電話事業者ごとに決まっており、ソフトウェアの更新が必要な場合もあります。対応機種は各事業者の公式サイトで確認してください。
屋内でも使えますか?
Starlink は「空が見える場所」での利用を前提としています。衛星と直接電波をやりとりするため、建物の中や、空が大きく遮られた場所ではつながりにくくなります。
普段の電波が届く場所でも衛星につながりますか?
基本的には、地上の携帯電話の電波が届かない場所を補うためのサービスです。au Starlink Direct の場合、au の 5G/4G LTE の圏外で使える仕組みとされています。
日本ではどんなことができますか?
事業者や機種によって異なりますが、例えば au Starlink Direct では、メッセージの送受信、現在地の共有、緊急地震速報などの受信、対応アプリでのデータ通信が案内されています。料金や対象プランも事業者ごとに異なるため、各社の公式情報を確認してください。
「Direct to Cell」と「Starlink Mobile」は違うサービスですか?
同じサービスです。Starlink は以前「Direct to Cell」と呼んでいたサービスを、現在は「Starlink Mobile」の名称で案内しています。国内の各社は「au Starlink Direct」など、それぞれ独自のサービス名で提供しています。
Sources / 出典
- 01Starlink Mobile(旧 Direct to Cell)(外部サイト)
Starlink · 公式 · 一次情報 · 参照 2026.09.30
- 02au Starlink Direct(KDDI Business)(外部サイト)
KDDI · 公式 · 一次情報 · 参照 2026.09.30
- 03FCC Order and Authorization, DA 24-1193(SpaceX の SCS 認可)(外部サイト)
Federal Communications Commission · 政府・規制当局 · 一次情報 · 2024.11.26 · 参照 2026.09.30
- 04FCC Secures Win for America's Leadership in Next-Gen Connectivity(外部サイト)
Federal Communications Commission · 政府・規制当局 · 一次情報 · 2026.05.12 · 参照 2026.09.30
- 05au Starlink Direct、世界初の海外ローミング接続を開始(KDDI ニュースリリース)(外部サイト)
KDDI · 公式 · 参照 2026.09.30
- 06アジア初、次世代衛星「Starlink Mobile V2」契約を締結(KDDI ニュースリリース)(外部サイト)
KDDI · 公式 · 2026.09.15 · 参照 2026.09.30
- 07Starlink 衛星とスマートフォンの直接通信サービス(NTTドコモ 報道発表)(外部サイト)
NTTドコモ · 公式 · 2026.04.02 · 参照 2026.09.30
- 08Reaching for the Stars(T-Mobile Newsroom)(外部サイト)
T-Mobile · 公式 · 2026.01.21 · 参照 2026.09.30
- 09「au Starlink Direct」開始、スマホと衛星の直接通信(ケータイ Watch)(外部サイト)
ケータイ Watch · 報道 · 参照 2026.09.30
- 103社そろい踏みの「Starlink Direct」(ITmedia Mobile)(外部サイト)
ITmedia Mobile · 報道 · 2026.04.25 · 参照 2026.09.30
Floor Map
館内マップ
Hall 01
Starship
完全再使用をめざす次世代ロケット
Hall 02
Falcon
再使用ロケットの系譜
Hall 03
Dragon
人と物資を運ぶ宇宙船
Hall 04
Starlink
衛星インターネット
Hall 05
企業としての SpaceX
企業としてのSpaceX